株式を相続する際の評価方法は、上場株式と非上場株式で大きく異なります。相続財産の中で株式は評価額の算出方法が複雑になりやすいため、正確な知識が必要です。評価額は相続税申告や遺産分割協議に直接影響するため、適切な手続きと専門家への相談が重要です。
上場株式の評価の具体的な計算方法
上場株式の評価は、相続発生日を基準とした市場価格の平均値を用います。具体的には、相続開始日(通常は死亡日)の「終値」、死亡日以前3ヶ月間の毎月の最終価格(終値)の平均値、死亡日以前5営業日の平均値のいずれか最も低い価格が評価額となります。
下記のテーブルで、上場株式の評価基準を整理します。
| 評価基準 |
内容 |
| 死亡日の終値 |
相続発生日の株価終値 |
| 過去3ヶ月の月末終値平均 |
相続発生日以前3ヶ月の各月の終値の平均値 |
| 過去5営業日の平均値 |
相続発生日直前の5営業日の終値平均 |
| 最低額を選択 |
上記3つの中で最も低い価格が評価額となる |
このように、評価額を抑えることができる方法が規定されています。証券会社から発行される残高証明書や株式の取引明細を活用し、正確な評価を行うことが求められます。
配当や株式分割の影響を受ける評価方法
上場株式の評価時には、配当金や株式分割も考慮が必要です。相続発生後に配当が支払われる場合、配当金は別途取得財産として評価され、相続税申告対象となります。また、株式分割が行われている場合は、分割後の株数で評価額を算出する必要があります。例えば、相続発生直後に株式分割があった場合、分割前の株数に遡って評価を調整し、正確な評価額を求めます。
分割や配当のタイミングによって相続税の課税対象額が変動するため、取引履歴や会社からの通知をしっかり確認することが重要です。
非上場株式の評価手法と実務ポイント
非上場株式は市場価格が存在しないため、主に「類似業種比準方式」「純資産価額方式」「配当還元方式」のいずれか、もしくは組み合わせて評価します。会社の規模や業種、財務内容に応じて適切な方法を選択します。
| 評価方式 |
特徴・利用シーン |
| 類似業種比準方式 |
上場している類似企業の株価・配当・純資産などを参考に評価 |
| 純資産価額方式 |
会社の資産から負債を除いた純資産価額を基準に評価 |
| 配当還元方式 |
配当実績を基に株式の価値を評価。小規模会社や少数株主向け |
非上場株式の評価は、会社の決算書や事業報告書、類似業種の株価情報など多くの資料をもとに算出します。税理士や専門家と連携しながら、法令に沿った正確な評価が必要です。
評価に影響を与える要素(役員報酬等)
非上場株式の評価額には、役員報酬や会社の利益水準、特別利益・損失、借入金の有無など、財務・経営要素が大きく影響します。例えば、役員報酬が過大で会社の利益が減少している場合、評価額が下がるケースもあります。
主な評価影響要素は以下の通りです。
- 役員報酬や従業員給与の水準
- 現預金や不動産など資産構成
- 借入金・負債の状況
- 特別利益・損失の有無
- 事業の安定性と将来性
これらの要素を総合的に判断し、実態に即した評価を行うことが求められます。相続税の申告や遺産分割協議を円滑に進めるためにも、会社の財務書類や経営状況をしっかり確認しておきましょう。